「警察です」と電話が来たら|振り込む前に会話を止めて確かめること

警察を名乗る電話をいったん切り、別の公式相談先へ確認する場面の自作イラスト。 情報セキュリティ

突然「あなたの口座が犯罪に使われています」と言われたら、身に覚えがなくても落ち着かなくなりますよね。その場で相手を説得したり、疑いを晴らそうとしたりする必要はありません。まず通話を終え、相手とは別の経路で警察に相談しましょう。

事件・事故で、今すぐ緊急の対応が必要なときは110番です。緊急でない相談は#9110や最寄りの警察署へ。状況に応じた入口は、後半でも案内します。

この記事では、警察を名乗る不審な電話やビデオ通話を受けたときに、何を止め、どこへ確認するかを整理します。名前や話し方だけで本物かどうかを判断しようとせず、相談できる入口へ戻るための記事です。送金してしまった場合の相談先も、後半で分けて案内します。

電話の中で、疑いを晴らそうとしなくてよい

警察庁は、捜査を理由にお金を動かすよう求めたり、偽の警察手帳や逮捕状を示したりする「ニセ警察詐欺」を案内しています。電話の途中でSNSやビデオ通話へ移る場合もあります。身に覚えのない話に驚き、相手の説明を聞き続けてしまっても、自分を責める必要はありません。

警察庁の案内では、電話で捜査対象だと告げる、メッセージアプリで連絡する、警察手帳や逮捕状の画像を送る、といった行為は本物の警察官が行わないものとして示されています。そうした連絡は、その相手との会話を続けず、警察の相談先へ戻るきっかけにしてください。警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」

「自分は違います」と証明するために、残高を見せたり、お金を別の口座へ移したりするところまで進まないことが大切です。

番号や画面の見た目を、本人確認の代わりにしない

電話の表示が実在する警察署の番号でも、本物とは限りません。埼玉県警察は、警察署などの番号を偽装して表示する場合や、SNSで偽の手帳・逮捕状を見せる場合があると注意を呼びかけています。画面の文字や制服らしい見た目だけで、送金や情報の提供を決めないようにします。埼玉県警察の注意喚起

確認のためと言って相手から教えられた番号へかけ直すと、相手が用意した連絡先へ戻ってしまうおそれがあります。不審な通話を切った後は、警察相談専用電話の「#9110」、または自分で公式サイトから確認した最寄りの警察署へ相談します。

求められたことを、いったん止める

不安なときに長い説明を覚えるのは難しいものです。まずは、相手の指示に合わせて次の行動へ進まない、と決めておきましょう。

  • 調査や資産保護の名目でも、指定された先へ送金しない。
  • 通話を続けながら、暗証番号やログイン情報、画面に届いた認証の番号を伝えない。
  • 相手が送ったリンクからログインしたり、指示されたアプリを入れたりしない。

これは、相手に問い返して正体を突き止めるためのチェックリストではありません。通話を終えて相談するまで、判断と操作を保留するためのものです。

警察庁は2026年6月5日の注意喚起で、金銭だけでなく、犯罪の疑いを晴らす名目で身体の画像や常時のビデオ通話などを求める事案も示しています。恥ずかしさや「人に言ってはいけない」という相手の言葉で、一人で抱え込まないでください。警察庁「ニセ警察詐欺の特異な手口」

話しただけ・情報を伝えた・振り込んだ場合を分ける

まだ詳しい情報を伝えていない場合も、不安が残れば相談できます。分かる範囲で、連絡の日時、相手の名乗り、求められたことをメモしておくと、状況を説明しやすくなります。すべて思い出してから連絡しなければならない、ということではありません。

ログイン情報や認証の番号を伝えたり、口座の不審な動きに気付いたりした場合は、警察への相談に加え、利用している銀行などの公式窓口にも状況を伝えてください。

偽サイトへ普段のIDやパスワードを入力してしまった場合は、使い回しているサービスも含め、公式の入口から速やかにパスワードを変更します。口座の利用停止や認証の再設定についても、金融機関の案内を確認してください。相手から届いた「被害確認」のリンクを使って、さらに情報を入力しないようにします。警察庁「フィッシング対策」

預金口座へ振り込んでしまった場合、金融庁は、警察と振込先の金融機関への連絡を案内しています。振込先の銀行名や口座、金額、日時が分かる記録を手元に置き、公式の連絡先へ相談してください。記録探しのために連絡を遅らせる必要はありません。金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」

連絡すれば必ず全額が戻る、というものではありません。被害回復の制度には条件があり、振込先の口座にお金が残っているかなどでも変わります。相手から「返金のため、もう一度送って」と言われても応じず、警察や金融機関の公式窓口で確認します。

緊急通報と相談の入口を分ける

事件・事故で緊急の対応が必要なときは110番です。緊急でない不安や困りごとの相談は、#9110や最寄りの警察署を利用します。警察庁も、このように入口を分けて案内しています。警察庁の相談・通報案内

#9110の受付時間は都道府県などで異なります。つながらないときは、利用地域の警察の公式サイトで窓口を確認してください。警察庁の相談窓口一覧では、夜間や土日祝日は当直や音声案内などで対応すること、ダイヤル回線や一部のIP電話からは#9110を利用できないことが示されています。警察庁代表へのご意見フォームを、緊急通報や個別被害の相談の代わりにしないようにしましょう。

家族とも「いったん切って相談する」を決めておく

家族や身近な人に相談されたら、まず話を聞き、一緒に公式の窓口へ戻ることを優先しましょう。「どうして信じたの」と責めるより、今どこまで操作したかを整理するほうが、次の相談につなげやすくなります。

今日できることは、「警察を名乗る電話でも、送金やビデオ通話の指示を受けたら、その場で進めず相談する」と共有することです。対策アプリや商品を買う前に、通話を切った後の確認先を一つ決めてみてください。

証券口座のログイン前の確認は、既存記事の証券口座のフィッシング対策でも整理しています。この記事は一般的な確認行動の案内であり、個別の被害の有無や捜査、金融機関の手続きを判断するものではありません。

情報の基準と出典

情報確認日:2026年10月21日。警察庁のニセ警察詐欺の案内、2026年6月5日公表の注意喚起、2026年9月7日更新の埼玉県警察の案内、金融庁の被害相談案内を参照しました。注意喚起の公表日が、すべての被害の発生日を示すわけではありません。

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